井上 さとみ


Hoki Kobo 保木工房

木の皮が紙になるという感動と、美濃の自然の素晴らしさを伝えたい。

「美濃の手すき和紙を初めて見た日、あまりの感動に泣きながら帰りました」。

東京で開催された展示会「カミノシゴト展Vol・1」で保木成敏氏に出会ったことが、全ての始まりだった。幾度も美濃を訪れたのち、意を決して移住。成敏氏の逝去後も、妻の美保氏と共に、「保木工房」にて和紙づくりに専念する。

井上さんが漉くのは、特殊な技法で細かな柄を漉き込む「透かし文様紙」。天然の楮の繊維の強靭さと、卓越された技術があるからこそ、柔らかな風合いと繊細な柄を実現できるのだ。「保木さんの技術を継承しているなんて、そんな大きなことは言えないし、まだ修行中の身。

でも、保木さんの考え方や生き方、本質的な何かが、私の中に埋め込まれている、そんな気がしています」。

現在は、仲間と共に、美濃で楮の栽培にも携わる。「木の皮が紙になるという感動が、私が紙の仕事を始める原点でもある。この自然の素晴らしさ、美しさを、次代に伝えていきたい」。

プロフィール


東京都江戸川区生まれ。グラフィックデザイナーとして経験を積んだのち、2004年に美濃市に移住。「保木 工房」のスタッフ兼専属デザイナーとして、主宰の保 木成敏氏に師事。現在は「保木工房」で透かし文様紙 やレース紙を主に漉く。「本美濃紙保存会」研修生。

ホームページ・販売サイト・ SNS等

http://www.hokikobo.biz/